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情報の真偽は自己責任☆
2007年05月25日 (金)
 今日も仕事で電話で電話で事務で迷子で焼肉バースデー。

うわー、あと何年、『今日も仕事で』っていうんだろうなー。

昨晩せっかく焼いたCDは、全部データCDというオチ。
うわっ、せっかくミュージックタイム!とか満喫しようと思ったのに。

さてさて、話の流れぶったぎって、
以前参加した、キミセカグランプリ『ゴスロリ+ラブコメ』の結果が出ました。

http://www.kimiseka.net/

作者の名前が公開されたってことで紹介させていただきます。

では、以下作品。





タイトル: ルーツで由来な昔話


 かなり昔。大体、中世ぐらいの頃のこと。
 コンコン、とノックの音がした。

「なんだ、こんな夜更けに。
 ――黒服の、黒ずくめに黒い馬車。オマケに棺桶か……
 葬儀屋が、俺っちに何のようだい? 別に呼んだ覚えはないぜ」

「この辺りに偏屈だが、国一番の仕立て屋がいると聞いてきた。
 仕立て屋に頼むことといえば、服の注文に決まっているだろう?」

「違いない。違いねぇ。俺っちに作れねぇ服はねぇ。
 そうか、あんた客か。身なりからすると貴族か、金持ちか。
 まぁ、そんなことはどうだっていい。俺っちの興味は服を創るただそれだけさ。
 どんな服をご所望だ?」

「ドレスを一着頼みたい。
 そう、誰もまだ見たことない世界で唯一のドレスをだ。
 我が最愛の女(ひと)への婚約の証しとしたいのだ」

「あぁ、なるほど。つまり、ウェインディングドレスをか。
 簡単だ、そんなの雑巾を縫うぐらいに簡単だ。
 だけど、“最高”のドレスとなりゃ話は別だ。
 お前さんの彼女への想いと、彼女の容姿を聞かなきゃならねぇ。
 オーダーメイドっていうのはそういうもんだ」

「それは容易い。実に容易い。息をするぐらいに日常的だ。
 彼女のことを忘れたことなど一度と無い。――彼女は、私の満月(フルムーン)。

 あの月光に照らされた白絹の如き柔肌、熟れた林檎よりもなお煽情的な赤い口唇
(ルージュ)から紡がれる  銀星の如き美声(メロディ)。
 たまらず、抱きしめれば折れてしまう未熟で華奢な容姿(ニンフェット)。
 だが、その双眸に煌く金色の瞳は、私の心を暴き続けるしたたかさを秘めて妖艶
(ゴシック)だ。
 もし、彼女が“美”の定義から外れるなら“美”と醜は類義語に違いない。
 そもそも彼女を形容する言葉などそれ自体が無意味なのだ。
 そう。外(見た目)と内(ハート)は一致しない。一致するわけがない!
 少女から青女へと移り変わるモラトリアムで矛盾そのものなど、捉えきれるわけが
ない。
 故に! だから! そんな彼女に私は惹かれ、恋焦がれ、愛すのだ!」

「――よし、わかった。よくわからねぇが、よくわかった。
 お前さんの“想い”しかと受け取った。
 そのイメージを残らずそっくり、ドレスにしよう。
 世界で誰も見たことない“最高”を繕うじゃねぇか」

 ――数日後、ドレスは完成し、無事に依頼主へと渡った。
 そして、その次の夜のこと――

 コンコン、と再びドアが鳴る。
 というよりも、ドアがメキメキ、と悲鳴をあげて壊れたのが正解。

「なんだ、こんな夜遅くに、熊でも出やがったか?」

「ちょっといいかしら。貴方が例の仕立て屋さん?
 このドレスを作ったってのは、貴方で間違いないのよね!?」

「そう、がなりなさんなお嬢さん。俺っちはボケてねぇし、耳も遠かねぇ。
 あんたが着てるその服は、間違いなく俺が創ったもんだ」

「そう。それはよかった。いや、よくなんて一つもない。
 貴方が創った“これ”のせいで大変なことになったのよ!
 あの彼が。私のことを見て、好きだと言ってくれた彼がよ。
 どんな時も、私と一緒にいるだけで幸せだって言った彼がよ?
 世界中を敵に回しても、私のことだけを大切にしたい。命をかけたいっていった彼
がよ? 
 そんな彼に惹かれ、想い、心を許していたってのに。服を着るなり言ったのよ。
 “来るな、寄るな、近づくな”。散々、私に酷いことを言ったのよ!
 そして、脂汗をかいて、苦しそうに呻きながら、煙をあげて灰になったの……
 ――いったい、どんな性質(タチ)の悪い呪いをかけたのよ、この服に!」

「おいおい。そりゃ大げさだ。呪いだなんて人聞きが悪い。
 聖に清めこそしても、それは“最高”の作品だ。
 100人に聞けば、100人がそう答える。それが1000人になったとしても、変わら
ねぇ。
 それよりあんた。自分の姿、鏡で見たことあるかい?
 趣味は人それぞれだから、なんとも言えねぇが、まずはそこからだろうに」

「あいにく、鏡なんて生まれてこの方、見たこともない。
 それに見なくても、私が美しいことは周知の事実。日を見るよりも明らかよ」

「そうか。そりゃ大した評価と外聞だ。実にすごい。
 だったら、この際、自分の眼で見て、その自信を確信へと変えたらどうだい?
 そこの鏡を使ってな」

「ふん、望むところよ。といってもどうせ私が正しいに決まってる。
 鏡は真実を映すものだから、貴方の過失を包み隠さず映してくれるわ。
 で? 鏡は――」

 女は、鏡を見るなり悲鳴をあげた。
 それは、それは断末魔という断末魔。
 雷鳴と金切り声を合せて、赤子の夜鳴きでかけたものよりもさらに上の壮絶さ。

「くそ、なんてうるささだ! 思わず耳だけでなく、目も塞いじまった。
 自分の姿が、そこまでショックだってのか。
 まぁ、予想と事実が違えるのはしょっちゅうだ。仕方がねぇ。
 って、アレ……。あのお嬢さんはどこ行っちまった……?」

 鏡の前に、彼女はいない。
 代わりにあるのは、脱ぎ捨てられた灰まみれのドレスだけ。

「たくっ、自分の不得手をものに当たるなんて最低だな。
 せっかく注文通りに創ったってのによ。
 ――ん、なんだこりゃ…?」

 ドレスの中から出てきた、灰まみれの羊皮紙を拡げてみれば、それはラブレター。

 見てるほうが恥ずかしくなりそうな、歯の浮くセリフがてんこもり。

 『ヴラド・ツェペシから愛しのバートリ・エルジェーベトへ』

「ははぁん。そういうことか、アイツラが噂の――」

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「――とまぁ、そんな愛し合う彼らに訪れた、突然の悲恋劇。
 仕立て屋の罪滅ぼしっていうか。彼らを“滅ぼした”功績っていうか。
 一躍有名、一気に広まったいうのが、この服が生まれた伝説でルーツってわけ。
 一種の防護服(お守り)ってヤツ?
 あの時代って吸血鬼や、魔女なんて、有象無象の魑魅魍魎、
 奇妙キテレツ怪談奇談がゴロゴロしてたからさ、せめてココロの安心、より所が欲
しかったのか。
 そりゃ、平穏無事なシアワセ欲しけりゃ仕方がないってね。どう、今の話?」

「どうって言われてもね……」

 ところ変わって、ここは現代。俗に言うファミレス。
 友人に話の感想を聞かれた彼女は、タメ息一つに、遠い目をしての、やれやれ顔。


「――で、その話、信じたってワケだ?」

「そうそう。この前、ネタで、たまたま行った店で、ソッチ系の店員が話してくれて
さ。
 すっごくベンキョーになるトリビアってカンジで。――ってよく分かったね!?」


「ツッコミどころ満載過ぎて、ツッコむのはやめとくけど……」

「ちょっ、それどういう意味よ…?」

「――とりあえず、話のオチは≪見た目に騙されるな≫ってことかしら?」

 彼女は、相変わらずのやれやれ顔で、タメ息一つ。
 ご愁傷様と言わんばかりに、半目の一瞥を友人に贈る。

 怪訝な顔を浮かべる、十字架交じりで、かなり重度なゴスロリ姿の友人へ。 
(終)




以上のようにシリ/めつれつな作品でした。

さて、私の作品だと分かった人は何人いたでしょう?w
今回は残念な結果ですが、またどこかでお会いしましょう。
ではは。